システム降格と裁量引退
子供のころ見た横綱大鵬はアニメの主人公と同じで、絶対的正義であり、最後には必ず勝つ角界のスーパーヒーローでした。
その大鵬が、当時小結の貴ノ花に負けた取り組みを見た時は、ショックでテレビの前で呆然としていました。
これが現役最後の一番となり、翌日に潔く引退を発表しました。ヒーローとして、引退まで完璧な恰好良さでした。
のちに名大関と称せられた貴ノ花は、千代の富士に敗れて引退を決意します。
ウルフの愛称で知られた横綱千代の富士は、貴ノ花の次男である貴花田に敗れて引退を表明します。
ボロボロになっても戦い続ける生き方もあり、また潔く引退する道もあり、人それぞれですが、菊祭りより桜祭りの人出が多いことからも、咲き誇っては舞い散る姿に魅かれる人が多いのではないかと思います。(外国のことはわかりませんが)
トレードに置き換えると、大関の降格まではシステムトレードですね。損切りのシステムが組み込まれていて、勝敗の数ではっきりと番付が変わります。
ところが横綱は降格がなく引退しか選択肢がないのですが、クローズのタイミングはその人の判断にゆだねられますので、裁量トレードです。早めに手仕舞うか、株価が戻ってくるまで耐えるか、本人が決めることです。(今の親方は現役時代の番付が下なので説得できないようです)
見事な花を咲かせた横綱であり、その功績は誰もが認め尊敬を集めているからこそ美しい引き際を見せてほしい、というのが多くのファンの気持ちではないでしょうか。
ただ、今の横綱に土をつけ次の時代の覇者たりうる力士が見当たらない、ということも引退を難しくしている一因だろうとは思います。
****「自分の生き方を見てくれ」という気力、きれいな気力を持って欲しい ****