ケインズの乗数効果
「穴を掘って、また埋めるような仕事でも、失業手当を払うより、ずっと景気対策に有効だ」
ご存知、経済学者ケインズの有名な言葉です。
何かを建設、建築することでもなく、穴掘り作業に給料を払い、それを埋める作業にまた給料を払う。
無駄なようでも、国民の所得はその給料分増え、有効需要が増して景気回復につながるという理屈です。いわゆる「乗数効果」です。
公共事業が財政政策の主役としていまだに幅を利かせている所以です。
現実に「穴を掘ってまた埋める」ような公共事業があるのか?
あります。
今住んでいる市は、ひと冬の累計降雪量が5m以上、最深積雪量は1m以上の世界でもトップレベルの豪雪都市です。
年間の除排雪費用は30億円!!
雪はダンプで運ばれ、海へ捨てられます。
30億円は、文字通り「溶けて無くなる」のです。
それでも、この仕事で家族を養っている人がいっぱいいるので、ケインズ先生の乗数理論の実証になるのでしょうか。
でも、インフラは少しも進まないのです。